レポート
2009中国国際フットサルトーナメントに参加して
フットサル国際審判員 宮谷直樹(09.07.27)
今年から始まった大会で、中国、日本、イラン、オランダの4カ国が参加して行われたタイトルマッチです。審判員は参加チームの帯同審判員4名と開催国の審判員6名、インストラクターを合わせ総勢11名の参加となりました。

はじめに

この度、国際大会初アポイントに対し、JFA審判部はじめ、多くの審判仲間にあたたかく支えていただきましたこと本当に感謝いたします。

【開催まで

今回、移動に関しては代表チームの帯同審判ということで、出入国は同行でしたのでひとまず安心です。到着後、軽いランチをみんなで取り、ここから審判団のタイムスケジュールとなりました。審判ミーティングを行い、競技規則の確認や大会の概要説明、マネージャーミーティングの事前打合せを行い、その後簡単なトレーニングを行いました。トレーニングの場所は景勝地だったので「観光+ランニング」といった感じです。また幸い、先輩方の名前が広く知れているおかげですぐに審判仲間とも打ち解けました。開催までの間、トレーニングや観光、ショッピングなど行い、インストラクターのLiさん(中国)をはじめとする審判団は日を重ねるごとに良いチームワークが生まれてきました。

【大会一日目】

19:45〜 中国vsオランダ 21:30〜 日本vsイラン

オープニングゲーム(中国VSオランダ)の第二審判担当で、イランのSISTANIさんと組みました。ベテランの方でしたのでやさしくリードしていただき、安定したゲームとなりオランダの勝利で終了しました。その後、ロドリゴJAPAN初めての公式戦です。練習期間が短いチームでしたが健闘した結果、初陣は4-4で引き分けでした。
観客席のほうは、良いプレーも悪いプレーも、惜しいシュートもとんでもないシュートも、フットサルをあまり知らないせいか、1プレー1プレーに大歓声です。Fリーグの開幕時に少し似ていました。おもしろかったのは、2試合目が中国の試合で無かったにもかかわらず観客が多いなと思っていると、ハーフタイムに抽選会や選手がボールやグッズを投げ入れるのですが、それが終わると観客席がガランとしたことでした。こっちが目当てかと・・・
試合が終わり、ホテルに戻ると深夜0時過ぎなのですが、それから「飯だ!飯だ!」と食べること食べること。中国の皆さんの食べる量には驚かされました。

【大会二日目】

19:00〜 日本vsオランダ 20:40〜 中国vsイラン

二日目は中国vsイランの主審担当でした。第二審判は身長196cmもあるオランダのROBさんです。並んでみると186cmの自分が小さくなっていました。デカイことが武器だと感じたセットでした。しかし緊張のコイントスです。「プリーズ!フェアプレー」というつもりが、声が裏返ってしまい両チームのキャプテンが「えっ」と同時にコケました。今大会、唯一の失態です。試合の方は、イランが順当に力の差を見せつけて1-3だったのが、観戦に慣れてきた観客の大声援に後押しされじりじりと追い上げ、気がついてみると3-3のドロー。試合中、ずっと鳥肌立ちっぱなしで体育館が揺れっぱなしのゲームでした。両チームとも納得したゲームで、追いつかれたイランのチームからも中国のチームからも感謝の言葉をいただき、セットを組んだオランダのROBさんとハイタッチしてハグまでしました。試合中の歓声や選手のプレーで鳥肌が立つことはありましたが、ずっと鳥肌立ちっぱなしで、選手やチームと一緒に興奮しながら審判をすることは初めての経験だったと思います。
日本チームはと言えば、背の高いオランダチームに苦戦するかと思いきや、さすがに若いチームだけありアジャストが早く3-2でロドリゴJAPAN初黒星でした。本日も、逃げきろうとする日本チームにはブーイングの大声援です。しかしハーフタイム終了時に日本の選手がグッズを観客席に投げ入れようとするときだけは完全に日本応援団になっていました。

【大会三日目】

14:00〜 中国vs日本 15:40〜 オランダvsイラン

日本代表は体の大きさ、タフネスさ、そういったものが今回唯一近い相手との闘いです。さながら国内で行っているような感覚さえも覚えるゲームでした。0―0で終わりましたが、両チームともに今後が楽しみなプレーが数多かったと思います。
面白いことがありました。試合の前に、「審判団で写真を撮るぞ〜全員集まれ〜」と命令が入り、次のゲームのアップお構いなしにピッチ内で写真撮影です。オランダのチームが「アップができないよ〜」とクレームを入れれば「わかってるわかってる、ごめんごめん」とイランサイドのピッチに入って撮影続行です。「ちょっとやめなさい!」とさすがにマッチコミッショナーからクレームかと思いきや「私が入ってないじゃない」と・・・なんじゃそりゃ!
結局、アップ時間中ずっと審判団がピッチ内にいるという国内ではありえないような光景の中試合が始まりました。最終日はオランダvsイラン戦の第三審判です。
「あ〜最後まで何事もなく終わった〜、今回のこの海外初デビューも残すところあと5分か〜」と思っていたときに事件は起こりました。ガタイも攻撃も大柄な両チームがしのぎを削るタフなゲームでした。主審はベテランの王(Wan)さんでしたが、第二審判が今回唯一国際以外で笛を吹く、中国協会Class1の安然(AnRan)でした。国際マッチも当然初体験です。(私も一緒だったので一番の仲良しになりましたが・・・)少しナーバスになり、細かいミスを犯し選手のフラストレーションがたまっていきました。1-1で後半に入り、少しずつファールをためて不穏な空気もためて3-3残り3分切ったところでオランダのファールに腹を立てたイランの選手が倒れた選手を蹴ってしまって、さあ大変!「ちょっちょっちょっとまって」と、日本語で言っても通じるわけがなく、今出ないとどこで出る的な人たちがみんなピッチに入ってしまい(一番キレれてるのが選手じゃなくてドクターだったり・・・)最後の最後で洗礼を浴びました。大会期間中に両チームとも関係を築けていたのでその場はなんとかおさまりました。結局は4-3でオランダの勝利。結果待ちだった日本を退けタイトルも獲得しました。

【最後に・・・】

全体的には、AFCで松崎委員長より指導を受けた人達が次世代のインストラクター、アセッサーになっていること。また、現在もチーフで指導されていることもあり、国内で我々が受けている研修の重点項目を、同様にアジアのレフリーは心がけていてあまり戸惑いはありませんでした。
若い審判員も多く沢山の刺激、感銘を受けました。また大切な友人もできました。本当に良い経験になったと思います。

経験を多くの方に、そして地元に還元していければと思います。改めて、いろいろとアドバイスや励ましのお言葉ありがとうございました。そして快く送り出していただいた職場の皆様、家族の皆様ありがとうございました。


宮谷 直樹(みやたに なおき)プロフィール

1979年 福岡県生まれ
2007年 フットサル1級審判員資格取得
2009年〜 FIFAフットサル審判員登録


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